世界-4 月と晶に守られた国が興る
晶 華 の 国
月の子らは鏡の地に住まう人々と血を混ぜていった。
いつしか花の契りは秘され、人々は祝福の歌を忘れていった。
けれども密やかに神と王の交合は続いた。
晶の守り神の愛は絶えることなく注がれ、豊かな資源と不思議な力を生み続けた。
そのために、晶華では類稀な美しい鉱物が生み出された。
星を宿した鉱物を最上とする原石はもとより、加工や細工の技術に優れた。
鉱物と細工物が交易され、遠くの地まで運ばれた。
また、天然の薬草庫を抱えるために薬草学や調合学が根づいた。
師と弟子は学び舎を創設し、療養を求める者をも集めた。
花の契りを、祝福の歌を忘れても、不思議な力を持つ者は生み落とされた。
そのような子を魔法を宿した子といった。
魔法を宿した子が生まれると、どこからか必ず使者が訪れ、記録が為された。
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