世界-3 晶の守り神は月の子らを愛す
月 の 子 ら
かつて奴隷であった女は赤子とともに荒野をさすらった。
ふさわしい地を求め、朝も夜も歩き続けた。
白い古木の林立する地へ足を踏み入れた時だった。
鏡の地と呼ばれるそこが、求めた地であることを知った。
その地はすでに神の祝福が降り、晶の守り神が治めていた。
女はまもなく夜の腕に抱かれ、子は晶の守り神の預かるところとなる。
子は生まれた時よりすべての者を惹きつける魅力を持っていた。
晶の守り神は彼を愛し、祝福の歌を捧げた。
祝福の歌により、彼はその地の王となり、その子らは血を繋ぎ栄えるよう約束された。
王が成長すると花の契りを交わし、新しい王が生まれるたびに晶の守り神も生まれ変わった。
月の加護と晶の祝福を受けた子らは、やがて国を造り繁栄した。
その国を晶華といった。
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